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Category:優れたブランデッドコンテンツ紹介

優れたブランデッドコンテンツ紹介3 ユニリーバ Dove「本当の美しさを閉じ込めないで」ーDoveにとっての”美しさを広めることがブランディングー

ブランデッドコンテンツとは
「企業のブランディングのために、
自社の姿勢や理念に対する顧客の共感を呼ぶ
ストーリー性のある映像」です。
5Gという次世代通信の浸透、
YouTubeやVimeoといった
動画プラットフォームの普及により、
今や企業が長尺、文脈での映像で潜在顧客との
コミュニケーションを図ることが可能な時代です。
だからこそ企業がブランデッドコンテンツにより
企業ブランドのファンを獲得することが重要なのです。

今回はユニリーバ Doveの事例を紹介いたします。

突然ですが、
ご自身の学生証の写真に自信はありましたか?

もしくは今、学生の皆様は
自分の学生証の出来上がりに満足していますか?

おそらく多くの日本人は否定的な意見を持つのではないでしょうか。

Doveが行った自己肯定感に関するレポートでは
“日本の10代少女たちのうち、自分の容姿に自信を持っている人はわずか7%”
という結果に。
これは世界で最も低い数値です。

さらに自分の容姿に自信を持てないが故にやりたいことを諦めてしまったり、
容姿に美を求めすぎるあまり過度な摂食制限で健康に影響を及ぼすことも増えているそうです。

こんな状況を変えようと、
Doveは「リアルビューティID」というドキュメンタリーを2018年に公開します。
最後に伝えるメッセージは、

「本当の美しさを閉じ込めないで」

Doveは私達に何を伝えようとしているのでしょうか。

舞台は学校法人順心広尾学園。
同学園の女子生徒らに自分の学生証について聞いてみると、

「嫌いなところは肌の色が悪いのと、、」

「嫌いな部分からでもいいですか?」

と、容姿そのものを否定的にとらえる生徒。

Doveはそんな女子生徒らを対象にある取り組みを行う。それは、

“学生証の写真を撮り直す”

ただ撮り直すのではありません。
クラスメイトから自分へのコメントを聞いてもらった後に撮影するのです。

クラスメイトからの声は、自分の容姿や内面に対するポジティブな言葉。
その言葉を聞いた生徒の顔は自然と笑顔に。

そして、出来上がった学生証の写真がこちら。

(上:撮り直し前、下:撮り直し後)
撮り直し前も決して写りが悪いわけではありません。
ただ、どうでしょう。
クラスメイトからの言葉を聞いて自信を持つことができた生徒の表情は
より魅力的に見えませんか。

クラスメイトの目に映る自分は自分が考える自分の姿よりも
ずっと魅力で溢れているのです。

「美しさは悩みの種ではなく、自信の源であるべき」という強い信念を持つDove。
ありのままの自分こそが美しいと信じることで、日々の生活を内面的に豊かにできる。
そう考えるDoveがこのクリエイティブに行き着いた理由。
それはDoveの価値観を発信し、共感してもらうことで多くの人の生活を内面的に豊かにしようという
思いがあったからなのではないでしょうか。

「リアルビューティID」は一切の商品の説明を行わず、
ブランドの持つ価値観を発信することでファンを獲得する
まさにブランデッドコンテンツなのです。

余談ですが、
メイクや照明に加え、デジタル編集されることが当たり前の現代の広告画像。
現実とはかけ離れた美しさを「完璧な姿」として、
自分と比較し、自信をなくしてしまう人も少なくありません。

そんな架空の美しさに囚われる現状に対し
Doveは2018年からは加工を一切していない事を証明するマークも作るほど
ありのままの姿にこだわるブランドなのです。

(画像加工をしていないことを証明する、Dove独自のマーク)

【本編】