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Category:クリエイティブ

映像作品における「メインテーマ曲のアレンジ」

今日は、映像作品における「メインテーマ曲のアレンジ」についてお話させてください。

まず、ほとんどの作品には、その作品のための「メインテーマ曲」があります。(主題歌とはまた違います!)代表例で言えば、皆さんご存知スター・ウォーズやジュラシックパーク。聞けば一発で分かってしまうくらい有名ですよね。
メインテーマ曲は、その作品が持つ「らしさ」を「音楽」の面から表現する大事な楽曲です。この一曲で、この作品がどういうものなのか、物語の全体的な雰囲気を感じ取ってもらいます。

そして、メインテーマ曲のメロディは劇中のBGMで様々な形にアレンジされ、色を変えて登場します。
作品の重要なシーン、作品を象徴するシーンに合わせて音楽の「伏線」を張ることで作品に統一感を持たせる事ができ、その場面を更に輝かせることができるのです。また、繰り返し出てくることで、視聴者にその作品を覚えてもらいやすくなるメリットもあります。

それでは、テレビ朝日系木曜ドラマ「Doctor-X〜外科医・大門未知子」(作曲:沢田完)を例に、どんなところにメインテーマのアレンジが使われているのか、その一例を見ていきましょう。

・ドクターXのテーマ

尊厳な弦楽器の中にクールに現れる口笛が、この作品のタイトルでもあり、主人公である「大門未知子」を存分に表現しています。これがこの作品の「メインテーマ曲」。このメロディが至る所で現れます。

・私、失敗しないので

主人公大門未知子がお決まりのセリフを言い、覚悟を決めるシーン、物事が良い方向に向かっていくときに使用される曲です。
メインテーマのメロディがはっきりと現れるのは1:03〜からですが、大枠のコード進行をメインテーマと同じにすることにより、序盤から薄っすらとそのメインテーマの面影を感じさせています。

・マスクメロン

こちらは少し砕けた、比較的明るいシーンに使用される曲です。
0:42〜から、歯切れのよいメインテーマのアレンジが入っています。

この他にも要所要所でメインテーマのメロディが使用されています。気になった方はぜひ聴き込んでみてください。

その作品をキュッと引き締め、より確たるものにさせることが出来る「メインテーマ曲のアレンジ」。
まだまだお話したいことが山程ありますが、それはまた次回お話させていただきます。

ジュニアサウンドデザイナー
真喜志右京