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Category:マーケティング

その戦略正しいの?

数日前、某有名企業(以後A社)を特集している番組をテレビでたまたま目にしました。
番組の内容は、業界シェアトップになるため、A社がこういう戦略で戦っているという内容のものでした。
勉強になると思い、食い入るように見ていたのですが、間違った戦略だと感じたのでその内容をご紹介します。

A社は業界シェア2位の会社です。
A社が業界1位になるためにやっていた戦略は簡単に言うと、
業界シェア1位の会社からシェアを奪うというものでした。

そこで僕は疑問に思ったのです。
この戦略、間違っていると。
なぜなら、弱者の戦い方ができていないからです。


ランチェスター戦略というものをご存じでしょうか。
ランチェスター戦略とは、戦力に勝る「強者」と戦力の劣る「弱者」にわけ、
それぞれがどのように戦えば戦局を有利に運べるのかを考えるための戦略論です。
「同じ武器なら勝敗は兵力数で決まる」という前提をもとにした「強者の戦略」と
「弱者の戦略」に分けられます。
もともとは第一次世界大戦での航空戦から生まれたものですが、
現代では実践的なマーケティング理論として活用されています。

ランチェスターでは、強者を「マーケットシェアが1位の企業」と定義しています。
1位以外は基本的に弱者に分類されます。
ですので、A社は弱者になります。
弱者は弱者の戦い方をしなければなりません。
A社が業界1位になりたいのなら、トップ(強者)と直接戦っていてはダメです。
業界3位や4位といったトップ以外からシェアを取り、徐々にシェアを伸ばさなければ
失敗する可能性が高くなります。
実際A社はここ10年、業界2位のままです。

A社がこのままの戦略なら、業界トップになることは難しいでしょう。
ただ、弱者の戦い方を実践できれば、業界1位になれる可能性は上がると思います。
今後のA社がどのようになるのか注目したいと思います。